この度の東日本大震災で被災された方々へ心からお見舞い申し上げます。
一日も早い復興を願っています。

まさに千年に一度の大災害が起ってしまった。

 2011年3月11日午後2時46分。僕は千葉市内の湾岸道路の車中にいた。ちょうど信号待ちで停車している時だった。車ごとユサユサとかなり、そして永く揺られ、船酔いを起こしそうなくらいだった。「これは大変なことが起きたぞ」、そう思って慌ててラジオのスイッチをつけた。ラジオでは東北地方の沖合で大地震が発生し、その後の津波の襲来に注意するよう呼びかけていた。

 大津波は想像を遥かに超える巨大なものだった。こんなことが起こりうるのか。後でテレビやネットで見てもにわかには信じられないような恐ろしい光景が広がっていた。真っ黒い水の固まりが全てを飲み込み押し流していく。

 僕の住む一宮町でも1m50cmほどの津波があったという。一宮川の河口近くの川辺に住む川上さんは自宅の二階から、その光景をケイタイで撮影していました。許可をいただいたのでこの場で公開させていただきます。


phot1
▼川上孝子さん撮影2011.3.11 一宮川の河口近くにて

 多くの命と家、仕事、全てを奪い去った地震と大津波の後、福島第一原発での大惨事が引き起こされることになった。二重三重の備えをしていたはず(と、思っていたが、「安全神話」にあぐらをかいて、実は何もしていなかったという事実が後に次々と明らかになるのだが)の原発も想定(これも甘すぎるだろ!!)を遥かに超えた事態には為す術もなく、慌てふためいている。
 考えてみれば地震の巣の上にある日本に、一度なにかあれば制御不能に陥ってしまいかねない「原発」という名の「モンスター」が沢山飼われているこの状況はかなり危うい。そして「明日」かも知れない近い将来に必ず起きるといわれている東海地震の想定域の上で原発は今も稼働しているのです。
 そして、あれから1ヶ月が経とうというのに福島第一原発は予断を許さない状況が続いています。原発周辺の住民は避難を余儀なくされ、いつ帰れるのかも分からない(もしかしたらもう帰れないかもしれない)。農産物は出荷停止。高濃度の汚染水が海に垂れ流されています。

 僕も含め多くの人がその恩恵を受け、慣らされてしまっているが、ここで一度立ち止まって考え直さなければいけない時がきていると思います。原発を止め太陽光発電などを押し進める決断を今しなくてはいけない。昨日(4/10)投票が行われた統一地方選で、「脱原発」を掲げ太陽光発電などの推進を唱った黒岩氏が神奈川県知事に当選しました。

 被災地の復興に際しても、自然と共生する太陽光発電などを利用した持続可能なエコタウンを作るという発想と理念と哲学に根ざしたグランドデザインが必要なのではないでしょうか。エネルギーも食料も「地産地消」が理想としてあり、その理想に少しでも近ずこうという努力と工夫が求められています。仮設住宅の屋根にも早急に太陽光パネルを取り付けるべきだと思うのですが…。

 まずは「節電」をして消費量を抑え、電気への依存をなるべく小さくしないといけません。先日テレビで「ヤシマ作戦」のニュースを見て、僕も節電ポスターを作ってみました。よかったらダウンロードして使ってください。


▼「節電ポスター」(クリックで別窓開き拡大)

 思えば16年前、阪神淡路大震災の半年後、福岡での演奏を終え、楽器を携え神戸の避難村で演奏をさせていただいたことを思い出します。僕らのささやかな音楽が少しでも慰めになればと。

 今も避難所生活を強いられている方々に、ひょうたん笛やひょうたんマラカスなどの楽器と音楽の楽しさを伝えられたら。もう少し落ち着いたらお伺いできる日が来ると思います。もうしばらく待っていてくださいね。

 震災から1ヶ月。関東地方はサクラが満開の季節を迎えました。サクラ前線は少しずつ北上して、もうすぐ東北各地にも届くはずです。みんなの祈りを添えて。(え)


[追伸]  
去る4月3日(日) に開催された『さくらフェスタ'11 in 南房総・大房岬自然公園』に参加させていただきました。
サクラもまだ1〜2分咲きで、あいにくの空模様でお客さんはあまり多くはありませんでしたが、義援金77,777円が集まったということです。ご協力ありがとうございました。義援金は更に募られ旭市などの千葉県内の被災地に送られます。
2011.04.03 大房岬自然公園2011.04.03 大房岬自然公園2011.04.03 大房岬自然公園2011.04.03 大房岬自然公園