1●『Tribe Vibe』Ganga Giri
「ベスト・セレクション〜ファンクとテクノの中間!?」
もう一枚は(こればっかり言うとアレだが)ディジュリボーンで話題のガンガ・ギリの作品「Tribe Vibe」。サウンドはキッチリと処理され、ミックスされたファンクとテクノの中間のようなもので、クラブ寄りであり、より踊らせる・トランスさせることに重きを置いていると思われる。ディジュリドゥがあまり登場しない曲もあるが、スピード感、ハネ感などが聴いていて楽しく、これはこれでポップス・フィールドへのアプローチとして正しいのだろう。曲全体のスピードは「Let the Spirit Out /Si」よりゆったりしていると言えるだろう。
01.Nungabunda・・・打ち込みサウンドにディジュリドゥが絡む。低音がうねるようなリズム主体の楽曲。
02.Carawonga・・・ラップのようなヴォイス(インドのロドラム?)、ディジュ、パーカッションなどが入り乱れるカオス的かつトランス的な内容。
03.In the Jungle・・・低音ホーミーとパーカッションのリズミカルで麻薬的な繰り返し。
04.The Crow・・・アフロ・バーカッションのタテノリ気味のリズム感が興奮を呼ぶ。
05.Big Halat・・・ディジュ1本の低音系サウンド。ゆるやか、倍音成分多そう。トーキングなどでリズムを創り出していく。
06.Afrodisiac・・・低めのディジュリ音とパーカッション。軽快なノリ。
07.Bushtucker Man・・・コンガとディジュのアンニュイなノリのセット。ミニマル調にリピートされ、徐々に徐々にヒートアップ。ドラッグのような重低音がキイてクる。
08.Spirit Remix・・・こちらもタラ〜ンとしたパーカッションのセットに循環呼吸の音をずう〜っと重ねるという幻覚誘発的なダブ風な路線の作り。
09.Rainbow River・・・水音にエコーのかかったディジュ2本。
10.Goodbye Song・・・ディジュのみの曲。
◆1999年と2001年の録音からのベスト・セレクションになっていると説明されているアルバム。おや?ケースを見ると、BMGのロゴが?! メジャー配給もされている模様。とにかく、ヘッドホンで長く続けて聴いていると、精神になんらかの影響を与えそうな、低音・そして繰り返しからゆるやかに広がっていくアレンジに注目。「踊らせる」と書いたが、それほど踊れないかもしれない、どちらかというとチルアウトを狙っているよな気もする。(2001 サカシタ・ルイ)
2●Manic Organic Ganga Giri
GG003 Web aian.com.au/gangagiri
4つ打ち主体のノリノリ、カオス・ディジュサウンド
ツルッパゲの強烈なルックスの持ち主、南オーストラリアの白人ディジュリドゥ奏者のガンガ・ギリのダンサブルなCD。バスドラ4つ打ち主体の速いBPMのディスコ風、ジョン・ロビンソン風(?)ハウス風な踊れて興奮できるサウンドが続く。速いパッセージでの刻みリズムや循環呼吸〜ロングトーンやウキィ! やトーキング、ビヨョ~~ンといううねりを持ったディジュリドゥなど、様々な音色を重ね録りしている。
クレジットによると、おそらくダンストラックはprogram&produceのDon Peyoteという人物の手になるものであると思われる。ガンガ・ギリはディジュや各種パーカッションとヴォイスそしてco-producerという立場である。各曲間では自然音が入る。
そして、要注目は音程の変わるディジュ、そう「ディジュリボーン」である。クレジット上はSlide Didgeとされているが、トロンボーン状に筒をスライドさせ音程を変えられるディジュである。
当JADAのホームページでも、make didge yourselfのページで簡易版の作り方も載せているのでご存知だろうとは思うが、クイックタイムのプラグインの入ったブラウザ環境なら、ガンガ・ギリのディジュリボーン演奏シーンが見られるのである。そのページでやってる曲(4曲め)もこのアルバムに入ってます。その部分を見て貰えれば、わかると思うが、かなり激しいアクション付きの演奏で、クラブシーンで大盛り上げができるディジュ奏者ということは一目瞭然。3曲めのベースラインをディジュリボーンでやってる(?、とりあえず音程は変わっている)曲なども、なかなか刺激的である。
ダンシング・レゲエ調、スクラッチ入りのブラックな曲なども少しあり、ラストはロングトーン・ディジュとチベタン低音ホーミーのチルアウト?クル?ノンリズムの曲で閉めくくられる。全体のサウンドも様々な要素をブチ込んでビンビンくるビシっとしたサウンドで録れている。概ねパーカッシブでダンサブルというサウンドでちょっとばかり古いかな?という感じがマァ潔い感じがして、なかなか良いのではないでしょうか。
盛り上がるダンシング・ディジュの好例、ですかな。(サカシタルイ)
3●『TERMITE GROOVES』Ganga Giri
1.Didji Dance
2.Ha Ha Kookaburra
3.Storm Coming
4.Night Flight
5.Earth Funk
6.Old Henry Mulga
7.Ant Dance
8.Flint Stones
オーストラリア、ニューサウスウェールズのバイロン・ベイを中心に活動するガンガ・ギリ(白人)のクラブっぽい音/ネイティブっぽい音のCD。速い吹き込みの音が得意のようだ。自身はヴォーカルも取り、キーボード、口琴、タブラ、トーキングドラム、ジャンベ、クラップスティックもプレイしている。
同時にプロモーションCD-ROMも観たのだが、バックトラックはテクノでディジュを片手に、踊り、空いた手を振り回して客を巧みに煽り、盛り上げるのが上手い人物であるようだ。またムービー内には「ディジュリボーン」(スライド式ディジュ!)も登場し、これを使ってステージングしているようである。ベルボトムのディジュをかついでブッシュを歩くシーンやインタビューなども入っており興味深い。(サカシタルイ)
インフォメーションは
ganngagiri.com
mragroup.com.au
sapphiremusic.comでどうぞ。