JADA|ディジュリドゥ入門

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ディジュリドゥ入門

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ディジュリドゥの吹き方入門講座

ここではディジュリドゥの基本的な吹き方をまとめてみました。ディジュ歴20年近く、アボリジニのマスター達から直接・間接に教わったことを私なりに解釈・整理したものです。参考にしてみて下さい。

2007、2010改訂

鈴木エージ

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○1 持ち方・構え方,○2 リラックス&ウォームアップ,○3 真直ぐ吹く〜永く吹く,○4 音の変化=舌を動かす,○5 リズムは口(くち)ディジュで覚える,○6 リズムを吹こう,○7 スティックを使おう(ディジュとスティックは仲良し),○8 トーキング(声も使おう!),○9 トゥーッ(ラッパ音を使おう!)

 
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ディジュリドゥはなるべく水平にして吹く方が吹き易いようです。あまり下にすると気道が閉じて吹きづらくなります。軽いディジュなら持って吹いても大丈夫ですが、重いディジュは手で持つと腕や肩に力が入り吹きづらくなるので、何かの上に置いて高さを保ち吹くとよいでしょう。

まず、唇や身体全体をリラックスさせ、力を抜くことが大切です。ディジュを吹く前に、唇をよく湿らせ、馬の様に唇をブルブルブルっと震わせてみて下さい。鼻から息を吸い、できるだけ永くブルブルしてみて下さい。また、楽器自体も暖まるまで少し時間がかかります。演奏前に息を吹き込むなど身体と楽器のウォームアップを行って下さい。

ディジュの吹き口のマウスピースに唇の正面を軽くあて、先ほどのブルブルをやってみましょう。真直ぐ吹くことが大事です(コンテンポラリーな吹き方では唇の横に当てて吹く吹き方もあるようですが)。低いブォ〜という音は出ましたか? それがディジュの基本の音です。音が出たら、今度はなるべく音が永く続くように吹いてみましょう(なるべく少ない息で音を出す、ということ)。鼻から息を吸うことを忘れずに。
もし、プーという高い音が出るようでしたら(それも音のバリエーションの一つですが)、少し力の入れ過ぎかも。もっと力を抜いて(2)からもう1度。

音・音色に変化をつけるには、吹きながら口の中で舌を動かします。まずはレロレロレロと声は出さずに舌だけ動かしてみましょう。出てくる音に変化はありましたか? この音色の変化がディジュのリズムの素になります。

舌の動きで音色が変えられるようになったら、リズムにトライしましょう。ディジュのリズムは、口(くち)三味線の様に口(くち)ディジュで覚えます。
リズムの種類はたくさんありますが、基本といえるのが「ティプトゥル〜タラ〜」という3拍子系(正確に言うと6/8拍子)のリズムです。まずは、ディジュを使わずに口で音を出してみて下さい。

口ディジュでリズムを覚えたら、今度は実際にディジュを使ってリズムを吹いてみましょう。声は出さずに、口ディジュのリズムを舌を使って作ります。「ティプトゥル〜タラ〜、ティプトゥル〜タラ〜」で鼻で息継ぎして、また続けましょう。これは息継ぎの練習にもなり、慣れてくると自然と循環呼吸ができるようになる、かもしれません。

ディジュの音は基本的につながっている(持続音)ので、吹いている本人以外=聴いている人には実は分かりにくい、という欠点もあります。これを補うのがスティック(拍子木)です。イダキ・マスターDjaluは「スティックはイダキ(ディジュ)にパワーを与えてくれる」と言っていました。アボリジニの伝統では、通常ソングマンが歌を歌いながらスティックで拍子をとり、ディジュが伴奏に回ります。
が、ディジュだけで演奏する場合などは、スティックを叩きながらディジュを吹くとビートがより力強くはっきりとし伝わりやすくなります。スティックの代わりに指でディジュを弾いて拍子をとるのも良いでしょう。日本のディジュ演奏者はこれをあまりしませんが大事なことなのでなるべく入れた方がイイと思います。

吹きながら裏声(高い声)でクッカバラ(ワライカワセミ)やディンゴ(野犬)の鳴き声を入れるのが「トーキング」と呼ばれるテクニックです。アクセントやフィルインの時に使うと効果的です。
声の低い人(少しお年をめした方)など高い声が苦手な人、FやGなど高めのKeyのディジュを使っている人には厳しいかもしれませんので、無理はしないで下さい。ディジュ・マスター Blanasiなどはほとんどトーキングを使いませんが、グルーブ感あふれるパワフルな演奏を聞かせてくれます。トーキングもトゥーッも言わば飾りのようなもの。見た目は派手かもしれませんが本質ではないということです。

ブォーという基本の低い音に対して、プーという高いラッパも音のバリエーションのひとつです。唇のより狭い部分を震わせます。プー音が出たら、永〜く音を出すようにすると良い練習になります。
次にリズムのアクセントとしてプー音を入れてみます。例えば、「ティプ〜トゥル〜プートゥル〜」という4拍子のリズムの3拍目にプー音を。低い音とプー音の切り替えを練習しましょう。

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Sound Sample

アボリジニのトラディショナルな演奏ではトゥーッ音の方がリズムパターンの中に組み込まれています。トゥーッ音はトーキング以上に基本的なテクニックだと言えるでしょう。

Sound Sample#02(要モダンブラウザ)
「ティプ〜トゥル〜プートゥル〜」という4拍子のリズムの3拍目にプー音が入っているのが分かりますでしょうか。

リズムのレパートリーを増やそう!

以上がディジュの大体の基本だと思います。後は、CDなどを聴いて口ディジュで真似て、リズムのレパートリーを増やしていきましょう。(え)

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CDで学習
アボリジニのトラディショナルな演奏を聴こう!!

オーストラリアの北部=アーネムランドと呼ばれる地域やキンバリー地方のものが代表的なスタイルです。コンテンポラリーに比べあまりにも泥臭く、西洋音楽的な要素では割り切れない部分もあり、取っ付きにくく、はじめは聴いても何がなんだか分らないという人がほとんどだと思います。が、それが何年か経ったある日突然、身体の奥にスコーンと飛び込んでくる時があるのです。ディジュリドゥの本当の魅力はそこにあります。たぶん。

「ディジュリドゥのことはディジュリドゥに聞け」。その奥義を知りたい人はとりあえずこの4枚のCDを聴いてみて下さい。答えはそこにあるはずです。

Didjeridu Master /David Blanasi

超渋いコテコテのトラディショナルものです。推定70歳を数えるディジュリドゥ・マスターことデビッド・ブラナシのパワフルでグルーブに満ちた音がデジタル録音で収録されています。飾り的なトーキングやラッパ(トゥーツ)などはほとんど出てきません。音に「気」を感じます。

Homeland Movement /Yothu Yindi

世界的に有名なアボリジニのロック・バンド、ヨス・インディの1stアルバムです。全15曲中9曲までもがトラディショナルというバイブル的なCDです。パワフルさとトゥーツなどの神業的なテクニックを兼ね備えた醍醐味が堪能できます。

Teaches and plays Yidaki /Djalu

Master=Djaluによる曲(リズム)の解説と口イダキ、彼と息子Larryの演奏が入ったレッスンCD。全99トラック入りの決定版!! トラッドを学びたい人にはバイブルとなるだろう。

Waluka(Rain) /Gurritjiri Gurruwiwi (featuring Djalu)

Djaluの兄弟Gurritjiri のソングと、Djaluのイダキをフィーチャーした全20トラック入りのCD。これだけまとまったDjaluのプレイが聴けるものは他にない。

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コンテンポラリーな演奏

コンテンポラリーなスタイルは、デビッド・ハドソンやアラン・ダーゲンなどの一部のアボリジニや、アボリジニ以外の人のほとんどのディジュ・プレイがこのスタイルです。西洋音楽的な解釈で吹かれているため、一見分りやすく、またトーキングなど派手さもあり、他の楽器とのアンサンブルなどもしやすいので、大抵の人は最初このスタイルにハマってしまいます。

とりあえず取っ付きやすいところでハマってみたい方は、この入門書をどうぞ。

ディジュリドゥー入門書/アラステアー・ブラック著(日本語)

(日本語)(A5判16ページ)(¥620-送料・税込)
オーストラリアの初期の白人ディジュ奏者の一人であるアラステアー・ブラック氏による入門書。コンテンポラリーな吹き方とディジュの説明が一通り書いてあります。

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循環呼吸に関するアドバイス

「循環呼吸法」とは、口から息を出しながら同時に鼻で息を吸い、音を途切れることなく出し続ける演奏方法です。この方法はディジュリドゥに限らず、インドネシア・バリ島の竹笛スリンをはじめ多くの民族楽器やサックスなどの吹奏楽器でも使われるテクニックのひとつです。
練習方法は、コップに水を入れ、ストローでブクブクと吹いて練習したりする方法も効果的です。習得するには、個人差はありますが、大体1〜2か月くらいかかるかも。循環呼吸ができるようになるとディジュの楽しさが何倍にも広がります。気長にがんばってみて下さい。きっとあなたにもできるはずです。ディジュのほんとのスタートはここからです。

息抜きにどうぞ
ディジュリドゥコミック 第6話

関連記事
ディジュリドゥとは-豆知識/FAQ(循環呼吸)

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乾燥/カビ対策・慣らし吹き
クラック注意報発令中AnimeGif

冬場になると「ディジュリドゥにクラック(亀裂)が入った」という声をよく聞きます。ディジュリドゥは木製のため一見頑丈そうに見えますが、意外に繊細な「楽器」です。また、生まれ故郷オーストラリアはアーネムランドから直輸入しているこの「ディジュリドゥ」は、自然からの贈り物であると同時に、1本1本アボリジニの人達の手作りによるもので、同じものはありません。

「ディジュリドゥ」を永くお使いいただくために以下の点に注意し、大切に扱って下さい。(竹製ディジュリドゥも注意点は同様です)

ディジュリドゥのお手入れ・取り扱いに関するご注意
▼オーストラリアとの気候の違いや、ユーカリの材質、厚さなどで割れ(クラック)が入る場合があります。充分ご注意下さい。
▼クルマに慣らし運転がある様に、ディジュにも「慣らし吹き」が必要です。最初はむやみに吹きすぎず過度の振動は避けて下さい。大半のクラックはこの時期に起きています。また、ディジュは割れるほど強く吹きません。
▼特に冬場の乾燥・寒さや、空調(冷暖房)による急激な温度・湿度の変化は大敵です。
冬場の野外での演奏は、外側の乾燥と内側の湿気の差が大きくなり割れる危険性が高くなります。梅雨時はカビの発生にご注意下さい。
▼吹いていると内部に唾が溜りますが、唾が出るほど強く吹きません。吹いた後はケース等に入れ保管して下さい。
▼時々中に水を通して水分を与えて下さい。しかし乾燥のし過ぎで急に水を流すと反対に割れる可能性もあります。
▼クラック・亀裂が生じた場合は、早期に瞬間接着剤で接着するか、ビーズワックス(蜜鑞)で埋めビニールテープ等でカバーして下さい。クラックの大きいものはエポキシ系ボンド(ゆっくり固まるタイプ)で埋めて下さい。
▼真夏の車の中や高温になる所も危険です。
▼横からの圧力や強いショックにも気をつけて下さい。
▼オーストラリアのディジュ・プレーヤーも数カ所のクラックを補修して大事に使っている人が多くいます。丁寧に補修すればその後も永くお使いいただけます。
*解らないことがありましたら、メールか電話でお問い合わせ下さい。
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Enjoy playing Didgeridoo with respect for Aboriginal!!

LESSON個人レッスンやってます!

鈴木エージによるプライベート・レッスンを承っています。千葉県一宮町の自宅かその近辺での授業です。

レッスン料は1回1時間程=3,000円

*練習用ディジュをお貸しすることも出来ます。但し、何回か続ける場合はご自分の楽器をお持ちいただくようお願いしています。
*E-mailかお電話でJADAまでご相談下さい。

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JADA (日本ディジュリドゥ協会)
〒299-4315 千葉県長生郡一宮町新地甲1876-1
TEL.0475-40-1933 FAX.0475-40-1934
E-mail. jada@rhythm-com.jp

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